「ほんじつぁごへえ…ごへえとう…ん?…ごせいとう…あ?」
プレゼン最後の締めくくりに「本日はご清聴ありがとうございました」が言えなくて、何度も言い直してしまったトップ。挨拶もそこそこに足早に帰って行かれて気の毒になってしまいました。
こういうとき大抵の人は、「今日はなんだか滑舌の調子が悪いなぁ」と思ってしまいがちですが、違います。
これは滑舌の調子の良い・悪いとは関係はありません。原因はたった一つ。早口になっているだけです。
人前で緊張するのは当たり前のことです。興奮すれば、心臓がドキドキするのと同じで、気がつかないうちにいつもより呼吸も浅くなり、早口になっているものです。
ためしに本番で、「今日はできるかぎりゆっくり話そう」と心がけた上で、プレゼンを録画してみるとわかります。自分としてはゆっくり話していても、後で動画再生して見ると、「え?こんなに早口になるの?」と驚かれるはずです。これは本番特有の現象で、事前のリハーサルではこういうことはあまり起こりません。はやり本番は緊張して、誰でも無意識に早くなるものなのです。
だから本番では、普段はスラスラ言えているようなことさえ言えなくなってしまうのです。
では、どうするか?
「あり得ないくらい」ゆっくり話せば滑舌の問題はほとんど解決します。
さて今日は、滑舌のためにもう一つ大事なコツをお伝えいたしましょう。
言葉を区切る
どんなに難しい言葉でも、区切って言うと確実に言えるようになります。「この言葉ちょっと危険だなあ」と思ったら、区切った間合いの後、分からない程度に小さくアクセントをつけると更に確実です。
例えば冒頭の文章だと、息をしっかり吸い、ゆっくりと話し、
「本日は(間)、ご(微妙な間)清聴(間)、ありがとう(間)、ございました」
のように、言葉を少し区切って、間合いの後の「ご」、「せ」、「あ」、「ご」に、小さくアクセントをつけると絶対に失敗しません。少しずつ間合いを短くして、間合いに気がつかれないようにしていければ完璧です。
この方法であれば「きゃりーぱみゅぱみゅ」も怖くありません。
「きゃりーぱ(間)、みゅぱ(間)、みゅ」
このように発音すれば、どんなに滑舌が悪い人でも、「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言えるようになります。
試しにこのメールを見ながら発音してみて、できれば録画もして確認してみてくださいね。
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